update: 2006-01-04


琵琶湖リサイタルシリーズ 第26回
ラファエラ・スミッツ ギターリサイタル
Mar.-9, 2005
琵琶湖リサイタルシリーズ vol.2 6
ラファエラ・スミッツ ギターリサイタル

・・・19世紀の音楽家達の魂を目覚めさせた
琵琶湖リサイタルシリーズ2度目となる、ベルギーからのギタリスト、 ラファエラ・スミッツさんは、19世紀のオリジナルギター(ミルクール)と、 愛器J.ギルバート(八弦ギター)を携えての登場でした。
前半はシューベルト、レニヤーニ、メルツなどのロマン派の作品、そして後半では アサド、ヘンドリックス、バッハの現代とバロック。終始にこやかな笑顔で、7弦の ミルクールギターで始まった前半は200年近く前に製作された楽器が、こんなにも 豊かな音を聞かせてくれるとは、誰もが想像しえなかったほど、透き通った音、やわらか で鮮明な音が、琵琶湖ホテルチャペル内に響き渡ります。まさに完璧な演奏、至高の音楽が 聴衆の耳と心をとらえた瞬間でした。後半はアサドの「別れ」でスタート 、まさに魂に触れる ような音楽が深い感動をもたらしました。アンコールにいたるまで、ギターの魅力と、 音楽の美しさ、高貴さを与えてくれた、素晴らしいコンサートでした。(マンサーナ)
PORTRAIT

BIWAKO RECITAL SERIES vol.26
ラファエラ・スミッツ
ギターリサイタル

Raphaella Smits , Guitar Recital,
BIWAKO RECITAL SERIES vol.26, Mar.-9, 2005

ベルギー女流ギタリスト 再来日!


2005年3月9日[水] 7:00PM
● 会 場/琵琶湖ホテル・チャペル
TEL. 077-524-7111
● 入場料/一般=4,000円(80席限定)
● 出演 /R.スミッツ(ギター)
● 主催・予約/マンサーナ TEL. 075-972-2834

*関連サイト
●博多での公開レッスン情報(3/6)
●Raphaella Smits 公式Webサイト
●作曲家 W.ヘンドリックスの公式サイト

●前回来日時のラファエラ・スミッツ in 琵琶湖リサイタルシリーズ
●ギタリスト藤井眞吾のWebSite〈ラファエラ・スミッツの思いで〉

Raphaella Smits ラファエラ・スミッツ
●ベルギー・アントワープ王立音楽院及びブリュッセル音楽院にて学ぶ。スペインにてホセ・トマスに師事。スペインにて初リサイタルを開くと共に、8弦ギター推進派となる。1986年、世界的に有名なコンクール「第20回フランシスコ・タレガ・ギターコンクール」にて、初の女性優勝者となる。これを機にグラナダ、パルマ・デ・マジョルカなど数々のコンクールで受賞、名声を確実なものにしていく。様々な音楽シーンで演奏活動を行い、ソロ・コンサートだけではなく、著名な音楽家との共演、レコーディングなどでも好評を博する。1986年より11のアルバムをアクサン・レコードよりリリース。この14年間ベルギー・ルーヴァン市のレメンス・インスティテュートで指導を行うほか、ヨーロッパ、東洋、南北アメリカにてマスタークラスを開催。国際的ギターコンクール(バルセロナ、プラハなど)の審査員としても、度々招かれ、その確実な判断力と豊かなユーモアに裏打ちされた専門知識が広く評価されている。

PROGRAM・・・
1827年製ミレクール・ギターによる演奏・・・/ レニヤーニ/奇想曲 Op.20/ シューベルト/住み処/ メルツ/夜会の調べ
1980年製J.ギルバート・ギターによる演奏・・・/ S.アサド/フェアウェル/ ヘンドリックス/Saeta/ バッハ/シャコンヌ BWV 1004
19世紀ギターによる古典・・・
そしてギルバート8弦ギターによる現代とバッハ!

ベルギーの女流ギタリスト、ラファエラ・スミッツさんが2002年に続いて再来日されます。前回の日本各地での名演奏は今でも鮮明に多くのギターファンによって記憶されていることでしょう。
今回の来日では最近アクサンからリリースされた「Harmonie du soir 」でも聞くことのできる、19世紀のオリジナルギター、ミレクール(1827年製)と、愛器・J.ギルバート(8弦ギター/1980年製)の二つのギターを携えてのプログラムです。レニヤーニ、シューベルト、メルツをミレクール・ギターで、アサド、ヘンドリックス、の現代作品とバッハの名曲「シャコンヌ」をギルバートの8弦ギターで演奏します。

まさに《夜会の調べ》、ラファエラ・スミッツさんが琵琶湖リサイタルシリーズのチャペルに現れるその日が待ち遠しいですね!

●プログラム・ノート

ミルクール・ギター(1827)
私が懇意にしているギター製作家、ベルンハルト・クレッセ Bernhard Kresse 氏は1995年にフランスのビシー(Vichy)で開催されたオークションでこの楽器を購入したのでした。楽器はばらばらの状態でしたが、すべてのパーツは良好な状態であり、損傷のないことを示していました。 それは1820年代後半から1830年代前半にかけての楽器で、形もデザインも典型的な古典期のものであることは、パリはミルクールのギター制作家達の製作したものから知ることが出来ます。私はベルンハルトに7番目の弦を追加してくれるように頼みました。この変更は1840年代と1850年代にはかなり普通なことであり、メルツ Mertz やコスト Costeの作品を蘇らせます。

L.レニヤーニ Luigi LEGNANI (1790-1877) - 綺想曲 作品20
レニヤーニはパガニーニの綺想曲集に刺激を受け、てこれらの珠玉の作品を作曲しました。調性、色彩、そして楽曲素材の相違が個々の綺想曲に際立った個性を与えています。イタリア・ベルカント唱法のロマンティックなスタイルから決して遠くはありません。

F.シューベルト (1797-1828) - 住み処
シューベルトはとりわけリートの大家でした。彼は、歌詞の性格を支えるように、和音やリズムが殆ど波立たないように、伴奏パートをシンプルに書き上げました。それは、彼自身が演奏したギターという楽器に対する、共感の表れと言えましょう。

J.K.メルツ(1806-1856) - 夜会の調べ
1986年、ジム.ダダリオ氏が私にマリオ・マカフェリ氏を紹介してくれました。するとこの伝説のギタリストは私のために、まだ私には未知の作曲家であったJ.K.メルツの作品を何曲か演奏してくれたのでした。メルツの音楽は、欠くべからざるビブラート、ルバート、そしてメルツ自身が求める芸術的資質をもってして、最高にロマンティックな音楽となるのです。

〈休憩〉

ジョン・ギルバート ギター(1980)
ジョン・ギルバート John Gilbert(1922)はもともとコンピューター・エンジニアでしたが、全く独学でギター製作家となりました。1965年以来、ギターの修理や組立をあくまでも趣味として行っていたのですが、演奏家達からの薦めによって1974年から全くの製作家としてスタートしたのでした。ハイテク技術から得た経験から、寸法、重量、剛性などの測定に著しく特別なアプローチを見せました。その結果、彼が作り出す楽器はどれひとつとしてばらつきがなく、そのことは最も低いポジションから最高ポジションに至るまで音が均質出るとの絶大なる評価でした。1991年、ジョン・ギルバートの息子ウィリアム(ビル)が共同製作を開始します。

S.アサド-フェアウェル
“フェアウェル(別れ)” は1993年に相米慎二監督による日本映画「夏の庭」のために作曲され、映画の完成後この世を去ったアサド夫人に捧げられています。

W.ヘンドリックス-サエタ
“サエタ(Saeta)”は一種の「祈り歌」で、スペイン・アンダルシア地方の「カンテ・ホンド Cante Jondo」に属します。サエタは長い間セビリアの聖週間と関わりがありました。拡張された通りに沿って、熱狂と生命力が、深い感謝の念や歓喜とないまぜになって、夜通しで歌われます。
“サエタ”は「イエスの十字架への道」に触発されて書かれた作品で、七つの部分から成っています。
1.死刑に処されるキリスト
2.イエスの十字架への道
3.悲しみのマリア
4.磔のイエス
5.十字架に死す
6.イエスの復活
7.瞑想

J.S.バッハ-シャコンヌ BWV1004
かの有名な「シャコンヌ」は、本来ポリフォニック(多声部音楽;訳注)な楽器ではないバイオリンのために作曲されたポリフォニックな作品です。バッハはそういった作品をいかにして他の楽器用に移植(編曲)すればいいのかを示していました。私はこの作品を全く作者自身の手書き譜のまま演奏しますが、必要と思われる低音をいくつか追加しています。そのことはバッハ自らもしばしば行ったことでした。



演奏会の最新情報
琵琶湖リサイタルシリーズ
コンサート
チケット予約
りんごのおと
お問い合わせ
デザインと印刷
CD作製
BBS
Copyright© 2003, Manzana All Rights Reserved

 

about Manzana | 音楽関連事業 | 各種デザイン | お問合せ | e-mail
Copyright© 2003, Manzana All Rights Reserved