「小品集」というテーマはこのコンサートシリーズでは既に何度かとりあげて来たものです。それはギターには美しい小品が沢山あるからで、プログラムとしてはまさに無限の楽しみがあると思います。 こういった作品を練習しながら、私は毎回「ギター弾きになって、本当に良かったな〜」と感じるのですが、小品でありながら、音楽的なまとまりと、美しさに溢れていて、簡潔であればある程、弾くことの楽しみが増し、奥の深さを感じるからです。かつて、スペインの巨匠、A.セゴビア氏がインタビューに答えて「私のコンサートに足を運ぶギター愛好家達の多くは、ソナタや大規模な現代音楽を聴きにくるのではなく、タレガの《ラグリマ》や《アデリータ》のような小品を心待ちに、楽しみにくるのだ。」というような事をおっしゃっていました。それは愛好家達のいつまでも変わらない「名曲小品指向」を揶揄したようにも聞こえますが、反面、ギターと言う楽器の持つ特徴を看破しているとも言えます。 私は若い頃から、現代音楽の新作初演や、大曲を沢山弾いてきました。コンクールやリサイタルではそういった作品達と格闘して来たと言っても良いでしょう。が、この年齢になって、そして「アートステージ567」でのコンサートシリーズを始めて、やっとゆっくりとこういう小品を楽しむ時間を見つける事ができたと持っております。しばらくの間、その楽しみにお付き合いを下さい。 (藤井眞吾/2011年7月22日)
賛賛助出演:渡部友美(ギター) 1986年、広島生まれ。16歳からギターをはじめる。 ギターを橋本勇夫、徳武正和、藤井眞吾の各氏に師事。 これまでにフォレストヒルミュージックアカデミー主催の「ギターサ マーコースin九州」にて、大萩康司、中野義久各氏のレッスンを受講。 2007年第35回山口ギター音楽コンクール重奏部門金賞。2007年第35回山口ギター音楽コンクール中級部門銀賞 。2010年第1回韓国国際ギターフェスティバルに参加。
program ●独奏のギター小品集 - ソルの月光 -コストの舟歌 -マリアルイサ -ディアハンターのテーマ -禁じられた遊び
●ギター二重奏の小品集 -六つのワルツ Op.44-b(F.ソル) -《はじまりの音楽》より「春の小川/あんたがた何処さ/お正月」 -ルネサンス時代のリュート作品「ロッシニョール」「ドゥルリーの和音」 -チェンバレン氏のガイヤルド(J.ダウランド) ・・・他
●チケット/前売\3000 当日¥3500 4回券¥10000 6回券¥14000 ●主催/ マンサーナ Manzana Tel.075-972-2834 ●企画 /藤井眞吾/ http://homepage3.nifty.com/shingogt/ ●会場/アートステージ567