update: 2012-01-30

 

マンサーナのブログ
 
 
藤井眞吾 コンサートシリーズ - 2012
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vol.62《一月一日 January 1st》 1月28日(土)7時開演  

 

 

 

《一月一日 January 1st 》

 1893 年(明治26 年)に明治政府は「祝日大祭日唱歌」を公布します。それには「君が代」「勅語奉答」「一月一日」「元始祭」「紀元節」「神嘗祭」「天長節」「新嘗祭」の8 曲が、そして後に「勅語奉答 B」「明治節」が加えられ、都合10 曲が国の祝祭や大祭に歌われる歌とされました。 昭和の時代には四大節(しだいせつ)〜「四方節(1/1)」「紀元節(日本書紀が伝える神武天皇の即位日2/11)」「天長節(天皇の誕生日 12/23)」「明治節(11/3)」とし、教育勅語ではこれらの祝日大祭日には小学生は登校をし、校長先生のお話を聞く、また紅白の菓子等を振る舞われる、とされていました。昭和2年生まれで84 歳になる私の母は、これらの唱歌をよく歌ってきかせたもので、今でも教育勅語を諳(そら)んじています。

 明治政府は新たな国家、近代国家、そして西欧の列強国に比肩する強大な国家を作るべく、国民の教育に力を注ぎました。そのひとつの大きな目的は強力で近代的な軍隊を作るためには、読み書き話す国語教育、 算術の教育、道徳教育、そして音楽教育が必要であると判断していました。音楽教育は、特にリズムや合唱 教育によって、規律ある集団行動の基礎となる、という西欧の経験を学んだものでありました。

  1945 年8 月15 日の玉音放送をもって、急速にこれらの事情は一変しました。私達の国がここ100 数十年 の間に遂げた国家としての変化はあまりにも大きなものでした。それは文化、特に音楽に関しては激動の歴史であったと言っても過言ではありません。私は一人の音楽家として同じ音楽家の先人達の存在を忘れたくないと思いますし、また彼らの残した作品を、純粋に音楽作品として今一度見つめたいと思います。政治によって翻弄された歌の数々は、今また政治の都合で意図的に葬り去られようとしているように思えてなりません。私にはこれらの作品こそが何よりも、私達の国が歩んで来たこと、犯した事も、成し遂げた事も、真摯に語っているように思えてなりません。

宮廷の雅楽師、上真行(うえさねみち 1851 - 1937)が作った《一月一日 いちがついちじつ》という歌をお聴きください。 (藤井眞吾/ 2012 年1 月25 日)

プログラム
1. ソナチネ 第1 番 作品71-1( M. ジュリアーニ)
 M.Giuliani (1771 - 1829): SONATINE No.1, Op.71-1
 -1. Maestoso
 -2. Menuetto - Allegretto
 -3. Rondo - Allegretto

2. 嬉遊曲 第1 番 Op.1 より(F. ソル)
 
F.Sor (1778 - 1839); from Divertissement, Op.1
 -1. Andante
 -2. Waltz - Allegretto
 -3. Larghetto

3.《春の海》(宮城道雄/藤井眞吾 編曲)
 M.Miyagi (1894 - 1956); Haru no Umi

4. 三つの前奏曲(H.V= ロボス)
 H.V=Lobos (1887 - 1959); 3 Preludes

5. 簡素な練習曲集(L. ブローウェル)
 L.Brouwer(1939 - ); Estudios Sencillos

6. キューバの子守唄(L. ブローウェル)
 L.Brouwer(1939 - ); Cancion de Cuna Cubana

7.《マジョルカ?舟歌》(I. アルベニス)
 I.Albeniz (1860 - 1909); Mallorca - Barcarolla

8.《一月一日》(上 真行/藤井眞吾 編曲)
 S.Ue (1854 - 1937); January 1st (arranged by S.Fujii)

●チケット/前売\3000  当日¥3500 4回券¥10000 6回券¥14000
●主催/ マンサーナ Manzana Tel.075-972-2834
●企画 /藤井眞吾/ http://homepage3.nifty.com/shingogt/
●会場/アートステージ567

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