update: 2015-07-01

 

マンサーナのブログ
 
 
藤井眞吾 コンサートシリーズ - 2015
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vol.99《ちょっと浪漫的に un peu romantique 》● 6月27日(土)7時開演 6時45分開場 会場/アートステージ 567

 

 

 

 

英語の「romantic」に「浪漫的」と漢字を当てたのは夏目漱石だと言われていますが、大文豪ならではの絶妙の表現だと思います。ギターは本質的に「浪漫的」な楽器だと思うのですが、それはルネッサンスであれ、バロックであれ、そして古典であれ現代であれ、作品の中に含まれたロマンティックな要素を引き出すには、ギターと言う楽器をおいて右に出るものは無いだろうと思うからです。今回はそんな視点から、ちょっとロマンティックなギターの音楽、そして私自身の編曲をお楽しみ下さい。 (藤井眞吾)

program note
 英語の「romantic」に「浪漫的」と漢字を当てたのは夏目漱石だと言われていますが、大文豪ならではの絶妙の表現だと思います。文学の上では18 世紀後半からのドイツで起こった「疾風怒濤(Sturm und Drang)」、さらには同じ頃の産業革命やフランス革命が、音楽の上でも影響を及ぼしたと考えられます。ただし、現在私達が「ロマンチックだね!」と何かを形容する時には、必ずしもその時代の様式を指すのではなく(英語の romantic と言う言葉がそうであるように)、「空想的である」とか「恋愛に夢中である」とか「架空の話である」とか、もっと卑近な言い方をすれば「とろけるような」や「甘い」などの感覚を代表する言葉なのではないかと思います。

 さて本日の私の音楽会は《ちょっと浪漫的に un peu romantique 》と題しましたが、やはり同様に、ロマン派の音楽だけに焦点を当てるのではなく(今言ったような、一般的な意味での)ロマンチックな音楽をお聴き頂こうと言う趣向です。

 はて、そうは云ったものの、私はいつも「音楽と言うのはロマンチックなもの」と思っていて、ルネッサンスも、バロックも、古典や現代ですら「なんとロマンチックなんだろう!」と思うことがしばしばですから、このタイトルは今回だけの特別なものではないのかもしれません。そもそも「ロマンチック」という言葉の定義が曖昧ですから、私などはひどく無機的で巨大な構造物を見てもロマンチックだと思うことがあり、そういう視点から本日のB.ブリテンの作品などもお聞き頂いても良いのかもしれません。とんでもなく整然とした自然界の法則などを見つけた時に「なんて、ロマンチックなんだろう!」と思うのに似ているかもしれません。でも、酒場のオヤジ達が、必ずと言っていいほど発する「これが男のロマンやねん!」っていう「ロマン」とはちょっと違うと思うのですが・・・。

今月の「プレゼント編曲」は、エレジー(E.グリーグ/藤井眞吾 編)でした。

 

program
1.二つの前奏曲(F.ショパン/編曲 藤井眞吾)
 F. Chopin (1810 - 1849): 2 Preludes
  1.- Prelude, [Largo] (Op.28-20)
  2.- Prelude, [Sostenuto] (Op.28-15)

2.前奏曲とマズルカ(F.タレガ)
 F. Tarrega (1852 - 1909); Preludio y Mazurka
  - 前奏曲 第3番 ト長調 Preludio No.3 en Sol Mayor
  - マズルカ ハ長調 《夢》 Mazurka en Do Mayor
  - 前奏曲 第12番 イ短調 Preludio No.12 en La menor
  - マズルカ イ短調《マリエッタ》Mazurka en La menor “Marieta”
  - 前奏曲 第2番 イ短調 Preludio No.2 en La menor

3.アンダンテ(N.コスト)
 N. Coste (1806 - 1883); Andante, Op.39

4.序奏と華麗なロンド(J.K.メルツ)
 J. K. Mertz (1806 - 1856); Introduction et Rondo Brillante, Op.11

5.二つの歌(武満徹 編曲)
 Two Songs arranged by T. Takemitsu
  1. イエスタデイYesterday (by J.Lennon & P.McCartney)
  2. シークレット・ラブ Secret Love (by S.Fain)

6.夜想曲のように(B. ブリテン)
 B. Britten (1913 -1976); Nocturnal after J. Dowland (Op.70)
  I. 瞑想するように Musingly
  II. 非常に興奮して Very Agitated
  III. 休み無く Restless
  IV. 不安げに Uneasy
  V. 行進曲のように March-like
  VI. 夢見るように Dreaming
  VII. 優しく揺れて Gently rocking
  VIII. パッサカリア Passacaglia (measured)

7.《叙情小曲集》より三章(E.グリーグ/編曲 藤井眞吾)
 E. Grieg (1843 - 1907): from Lyric Pieces
  1. メロディー Melody (Op.47-3)
  2. エレジー Elegy (Op.47-7)*
  3. 夜想曲 Notturno (Op.51-4)

(*)プレゼント編曲

●チケット/\3000  当日¥3500 4回券¥10000 6回券¥14000
●主催/ マンサーナ Manzana Tel.075-972-2834
●企画 /藤井眞吾/ http://homepage3.nifty.com/shingogt/
●会場/アートステージ567

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