このコンサートシリーズを始めたのが2006年、私にとってあまりにも色々なことがあった年であった・・・、と言うことに今になって気付きます。9年が経って、そして第100回目を迎えます。100回も続けるとは本当に、夢にも思っていませんでした。「100」という数字が意味するものは、決して小さなことではないかもしれませんが、ここまでこれを継続して来た最大の活力は「ささやかな何かをやろう」という気持ちでした。毎月、京都のアートステージに行けば藤井眞吾のギターが聞ける、そして私にとっても毎月そういう場がある、と言うことこそが大事だと思って来ました。100回目も、同じような気持ちでやりたいと思っています。よろしくお願いいたします。(藤井眞吾)
program note
2006年に始めて、今回でとうとう100回目となりました。「100」という数字を考えてみると、やはりかなりの回数であるとは思いますが、私にはこのコンサートシリーズを開始した当初のことは昨日の事にように思い出されますし、あっという間の出来事であった、という感じの方が強いのです。沢山の回数を重ねようなどと馬鹿げたことは毛頭思っていませんでしたが、私自身にとっては勿論のこと、お聞き頂いた皆様に心の底から音楽を、ギターの音色を、そして私の感じた音楽を、ともに楽しんで頂ける音楽会にして行きたいと、それだけを念じてやって参りました。
先日、某新聞社の取材で「100回目と言うことで特別な企画はあるのでしょうか?」と聞かれて「何もありません!」とお答えしました。たしか50回目の時に、家内が同じ質問をして「このコンサートシリーズは毎月、当たり前のことのようにやって行くことこそ楽しいのだから、50回目だからと言って特別なことはしません。」と私が(・・・なんと素敵な!)答えを返したのだそうです。ですから新聞取材でもそのように即答したのですが、あとになって考えてみると、実は私はこのコンサートを毎回、特別なことと考えているから、50回だから、100回だから、と言って、これ以上に特別なことは何も出来ない、と感じていると言うのが正直なことの様です。このような場所での音楽会だからこそ楽しめる、演奏できる、曲目やプログラム構成でやって参りました。本日、100 回目も同じ気持ちで演奏させて頂きます。
これはひとえに、これまで足を運んで下さった皆様のお陰だと、心より感謝いたしております。体力と気力の続く限り続けて参りますので、今後ともよろしくお願い申し上げます。
今月の「プレゼント編曲」は、グラナダ(I.アルベニス/藤井眞吾 編)でした。
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